tantan’s blog

淡々と過ぎる日常を綴ったアラフィフ主婦のブログです。

【不思議の国のアリス】

今週のお題「読書感想文」


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それは黄金の昼下がり
気ままにただようぼくら
オールは二本ともあぶなげに
小さな腕で漕がれ
小さな手がぼくらのただよいを導こうと 
かっこうだけ申し訳につけて

ああ残酷な三人!こんな時間に 
こんな夢見る天気のもとで 
どんな小さな羽さえもそよがぬ 
弱い息のお話をせがむとは! 
でもこの哀れな声一つ 
三つあわせた舌に逆らえましょうか?

居丈だかなプリマがまずは唱える 
その宣告は「おはじめなさい」 
すこし優しげに二番手の希望 
「でたらめをいれること」 
そして三番手が語りをさえぎること 
一分に一度以上ではないにせよ

すぐに、とつぜんの沈黙が勝り 
想像で彼女らが追いかける 
夢の子が奔放で新しい謎の地を 
動き回るのを追って 
鳥や獣と親しく語る――
そしてそれを半ば真に受け

そしてやがて、お話が渇えると
想像の井戸も枯れ
そして疲れた語り手が
肩の荷をおろそうとすれば
「つづきはこんど――」
「いまがこんどよ!」
と声たちがうれしそうにさけぶ。

かくして不思議の国のお話がそだち
ゆっくり、そして一つ一つ
その風変わりなできごとがうちだされ――
そして今やお話は終わり
そしてみんなでおうちへと向かう
楽しい船乗りたちが夕日の下で

アリス! 
子どもじみたおとぎ話をとって
やさしい手でもって子供時代の
夢のつどう地に横たえておくれ

記憶のなぞめいた輪の中
彼方の地でつみ取られた

巡礼たちのしおれた花輪のように


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これは、「不思議の国のアリス」の原作にある冒頭の詩です。
意外と知らない方が多いのでないでしょうか?


静寂な森の中、
すべてが黄金に輝く池に浮かぶボート。
そのボートに、はしゃいだ少女達と、
少し困った顔の英国紳士の姿がみえ、
少女達の楽しそうな笑い声が黄金の森に響き渡っている……。

そんな、どこか懐かしく、美しい景色が目に浮かぶ、心引かれる綺麗な詩ですよね✨
こんな素敵な情景の中で、不思議の国のアリスは生まれたんですね🎵✨



今回は、私の大好きな物語、
不思議の国のアリス】について書きたいと思います。

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ブログ初心者のため、読みにくい部分も多いかと思いますが、どうぞ最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします✨m(__)m

目次

あらすじ

ほとんどの方がご存じだと思いますが、おさらいの意味を込め、あらすじをご紹介致します🎵



第1章
ウサギ穴に落ちて

ある日、アリスが、川辺の土手で読書中の姉の傍で座っていると、服を着た白ウサギが、「いそげ!いそげ!」と慌てながら通りかかります。

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アリスはすぐに、白ウサギを追いかけますが、不思議な穴に落ちしてしまいます。たどりついた場所は、大きな広間でした。
アリスは、そこで小さな扉を見つけますが、体が大きくて、扉を通れません。
部屋の中のテーブルには、不思議な小瓶があり、それを飲むとアリスの体は、どんどん小さくなりました。
しかし、今度は鍵をテーブルに置き忘れて、取れなくなってしまいます。

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第2章
涙の池

途方に暮れたアリスは、不思議なケーキを見つけます。
食べてみると、今度は身体が大きくなり、部屋から出られなくなってしまいました。
困ったアリスは泣き出し、その大量の涙で池が出来てしまいます。
アリスは、なんとか再び小さくなりますが、足を滑らせ自分の涙の池に、落ちてしまいました。
さんざん泣いてしまったことを後悔するアリスでしたが、そこにネズミをはじめ、さまざまな鳥獣たちが集まってきました。



第3章
コーカス・レースと長い尾話

アリスと鳥獣たちは、岸辺に上がり、
体を乾かすため「コーカス・レース」という、円を描いてぐるぐるまわる競走をはじめます。

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そこで、アリスはネズミに、なぜ犬や猫を怖がるのかを話してもらうのですが、
途中で、アリスは飼い猫のダイナの自慢話を始めてしまい、猫がネズミも鳥も食べると知った動物たちは、みんなアリスから逃げ去ってしまうのでした。



第4章
白ウサギがちびのビルを使いに出す

一人になってしまったアリスのもとに、白ウサギが戻ってきます。
白ウサギは、アリスをメイドと勘違いし、自分の家に使いに行かせますが、
白ウサギの家で小瓶を見つけたアリスは、再び身体が大きくなってしまいます。

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ぎゅうぎゅうになったアリスを、白ウサギは、「トカゲのビル」を使って追い出そうとしますが、失敗に終わります。
その後、白ウサギたちが、家のなかに小石を投げ入れ、それを食べたアリスは、再び小さくなって家から出られるようになるのでした。



第5章
イモムシの助言

今度はアリスは、森に行きます。
そこには、キノコの上でたばこをふかす、大きなイモムシに出会ます。イモムシは、ぞんざいな態度で、アリスに質問した後、キノコの一方をかじれば大きく、反対側をかじれば小さくなれると教えてくれました。
アリスは、キノコを少しずつかじりながら元の大きさに戻ります。
すると、今度は、小さな家を見付けるのでした。



第6章
豚とコショウ

その家は、公爵夫人の家で、家の前で、サカナとカエルの従僕が、招待状のやり取りをしていました。
家の中には、赤ん坊を抱いた無愛想な公爵夫人、やたらとコショウを使う料理人、それにチェシャ猫がいます。アリスは、公爵夫人から赤ん坊を渡され、家の外に出ていきますが、外にでると、赤ちゃんは豚になって森に逃げていってしまいました。森にいくと、今度は木の上にチェシャ猫が現れ、アリスに三月ウサギと帽子屋の家へ行く道を教えたのでした。

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第7章 
狂ったお茶会

三月ウサギの家に行ってみると、
そこでは三月ウサギ、帽子屋、ネムリネズミがお茶会を開いていました。
帽子屋は、アリスに答えのないなぞなぞをふっかけたり、時間が止まってしまったといった話をします。
しかし、アリスは、好き勝手に振舞う彼らに我慢がならなくなり、お茶会からでていってしまいます。すると、ドアのついた木をみつけ、中に入ってみると、アリスが最初にやってきた広間に出ました。
アリスは再び小さな扉を通るのでした。

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第8章
女王陛下のクロッケー場

通り抜けた先は美しい庭で、そこでは、トランプ兵が庭木の手入れをしていました。そこにハートの王と女王たちがきて、アリスにクロッケー大会に参加するよう言いました。
そのクロッケー大会は、槌の代わりにフラミンゴ、ボールの代わりにハリネズミ、ゲートの代わりに生きたトランプを使っているハチャメチャな大会です。
そこに、チェシャ猫が出現し、会場は大混乱となるのでした。

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第9章
代用ウミガメの物語

やってきた公爵夫人は、なぜか上機嫌で、アリスが何かを言う度に、教訓を見つけ出して教えます。
女王は、クロッケーを続けようとしますが、みんなに死刑宣告をするので、誰もいなくなってしまいました。
女王は、アリスに代用ウミガメの話を聞いてくるように命令します。アリスは代用ウミガメに、彼が本物のウミガメだったころの身の上話を聞くのでした。

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第10章
ロブスターのカドリール

しかし今度は、別の遊びをすることになってしまいます。代用ウミガメとグリフォンは、アリスに「ロブスターのカドリール」のやり方をみせますが、途中で裁判が始まりだします。グリフォンは、唄を歌っている代用ウミガメを放っておいて、アリスを裁判場へ連れていきました。



第11章
誰がタルトを盗んだ

ハートのジャックが、女王のタルトを盗んだ疑いで裁判が行われていました。
白ウサギが王たちの前で、その罪状を読み上げています。アリスは裁判を見物することになりました。
しかし何故か、何にも知らないアリスが、3人目の証人としてその裁判に呼ばれるのです。



第12章
アリスの証言

なにがなんだか解らないアリスは、裁判中に「あんたたちなんか、ただのトランプのくせに!」と叫んでしまいます。するとトランプたちが、いっせいに舞い上がり、アリスに飛びかかました。

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アリスが驚いて悲鳴をあげました。
次の瞬間!気が付くと、そこは姉の膝の上でした。アリスは夢をみていたのです。

アリスは、姉に自分の今見た夢の話を聞かせました。
その後、アリスはかけ去っていきますが、姉はしばらくその場にとどまり、物思いにふけります。すると、そのまま姉も寝てしまいます。そしてアリスと同じような不思議の国の夢をみるのです。

現実に戻った姉は、アリスが大人になっても、子供の心を忘れない、
まわりの子供たちに、不思議なお話をしてあげるような人になってくれることを、願うのでした。





そうそう💡そんな話だった!
と思い返した方、いらっしゃいましたでしょうか?
不思議な不思議なアリスの物語。
アリスの物語は、話だけでなくこの挿絵も魅力的ですよね!この挿絵を書いたのは、ジョン・テニエル
彼の作風は、ただ単に可愛いだけでなく、リアルに近いのに、ファンタジー感でいっぱいという、このアリスの作風に、とてもぴったりな挿絵に思えます✨
私は、このジョン・テニエルの挿絵が大好きです💕

不思議の国のアリスが生まれた時代背景

不思議の国のアリスは、
今からおよそ二百年前、19世紀にイギリスで誕生しました。
当時イギリスの児童文学は、
植民地主義の影響が色濃く、
主人公が無人島やジャングルへ行って、人喰い人種をやっつけるような勧善懲悪な物語や、教訓めいたおとぎ話がほとんどで、道徳性を重んじる教育的なものばかりでした。

そんな時代に、オックスフォード大学の数学講師ルイス・キャロル
不思議の国のアリス』という物語を発表します。

そこには当時には珍しい、
パロディやジョークにあふれた、純粋な空想世界、
子供心をくすぐる楽しい物語が広がっていました。新しい形式のこの物語は、
瞬く間に、大人気となり、世界中に広まります。

今では、よくある夢オチの話ですが、
当時は斬新で、誰も描かなかった全く新しい部類の物語だったのです。

いつの時代も開拓者は、
素晴らしい功績を残すのですね✨🍀

原作アリスとの出会い

私が、初めて原作のアリスに出会ったのは、小学生3年生の時でした。
当時、ディズニーのアリスしか知らず、原作を読んだことがありませんでした。

たまたま、友達と行った本屋でアリスの原作を見つけ、その存在を知ったのです。
それまで、アリスはディズニーが生み出したものだとばっかり思っていました。
表紙をめくると、この詩が目に飛び込んできました。
意味不明な部分が多い詩ですが、
その不思議な詩にとても心引かれ、すぐに購入を決めました。

その時、アリスの本の隣に
鏡の国のアリス」という本が目にはいりました。

その存在を知らなかった小学生の私達は、別人が偽物を書いたのでは?と思いましたが、
作者も同じであることをみて、第二作があることを、この時に初めて知りました。
小学生の私達には、すごい発見で、
とても嬉しくなり、おおはしゃぎで、
私が「不思議の国」、友人が「鏡の国」を購入し、大事にしようと約束したのを、今でも覚えています。

幼馴染みである友人とは、今も、年に数回やり取りをしています。
アリスは私にとって大切な本であり、
大切な想い出なのです。

もし、まだ原作を読んだことがない方がいらっしゃいましたら、
是非!この機会に読んでみてはいががでしょうか?✨
新しい発見があるかも知れませんよ。


不思議の国のアリス展~新津美術館~

今、新潟では不思議の国のアリス展が開催されています。

場所は、新潟市新津美術館です。

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https://www.city.niigata.lg.jp/nam/


美術館には、アリスのかわいいグッズも多数販売しております!
開催期間が令和2年9月6日までですので、ご興味ある方は、お早めにお出かけください!✨

勿論、私も行ってきましたよ🎵

最後に…。

今回のブログ、いかがだったでしょうか?お楽しみ頂けたでしょうか?

不思議の国のアリスは、ご存じの通り、たくさんの訳者により発行されています。
訳者によって、多少表現が違いますが、大きな相違はないことでしょう。
ちなみに、私が持っている不思議の国のアリスは、小学生の頃に買ったものですので、児童書のものです。
*1971年初版発行
*生野幸吉 訳
となっています。

自分好みのアリス本を探すのも、楽しいかも知れません。

それでは!また次回お会い致しましょう✨
最後まで読んで下さり、有り難うございました✨

充実した素敵な一日をお過ごし下さい💕